「釣り」という遊びに人生ごと飲み込まれた哀れな男の愉快な記述。

ブラックバス・トラウト・オフショア! ハンドメイドルアーの専門店 ルアーショップ「ギジェット」
釣り - 2009年10月の記事
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2009年 10月 23日 (金)

孤独の釣り師5 和歌山県有田郡広川町の唐尾漁港


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アオリイカ
ここ最近土日はバス釣りではなく、我が父と

由良の港に行くのが習慣になっている。

去年実兄備長炭とも行った小浦漁港だ。

去年の今頃に行ったとき、真っ暗な湾内で

謎の巨大魚のライズを見て以来、あの港の

ことがすっかり頭から離れなくなって

しまったのだ。

推測ではおそらく青物、もしかしたらマグロ

ではないかと思っているのだが、魚の姿を

見ていないので正直なんともいえない。

今年こそ正体を確かめるべく、俺は遂に

シイラ用キャスティングロッドを買って

しまった。

いざタックルを揃えて準備万端なのはいいのだが、シルバーウィークあたり

からほぼ毎週通っているのに、ライズどころかベイトフィッシュも入って

こない。

がーn(ry

焦るんじゃない、俺は食卓に彩を添えたいだけなんだ。

この日もアジすら釣れず、小浦から唐尾漁港に移動し、とりあえずなんか

食える魚を確保することにした。

が、去年アジを爆釣した唐尾もなにやらこの日は濁りが入り、魚の気配が

薄かった。

我が父がウキ釣りでイワシを釣り小魚がいることがわかったのだが、アジ

はいそうに無い。

とりあえずなぁにするかって考えてさ、まわりでエギングしてる奴が何人か

いたもんだからじゃあイカ釣ってみようかってね。

エギングやったことないんだけどね、アハハハハハ

恥ずかしながら俺はエギングはやったことが無い、そういえばいつぞや

某プロがセミナーでこんなこといってたな。

某プロ「あーいうバス釣りやってたけど今エギングにハマってますって

人ってさ、バス釣れないから海に逃げましたって感じして、ヤなのよね。」

してるかもしれん…。

えーとたしか釣りの指南書には沈めて数回シャクるのを繰り返すって書いて

あったな。

こうかな?  ヒュンヒュン

ググッ

ググググググググ

おお!!

みようみまねでやったら本当にイカが釣れた。そのまま堤防に上げる。

ビュッ ベチャ!(墨を吐いた)

うわあ、まいったなあこりゃあ

イカ墨で堤防が真っ黒になってしまった。

しかし、人生初イカがこんなあっさり釣れてしまった。

どんな風に釣れたか簡単に説明すると、一旦底に沈めて、数回シャクリを

いれイカに気づかせ、また沈めている最中にイカが抱きつくといった感じ。

うん、春バスのフローティングミノーパターンを思い出すな。

また数投すると、同じようにイカがかかる。

なるほど、エギのしゃくりとミノーのジャーキングは良く似ていることが

わかる。

だからバス釣りからの転向者が多いんだな。

しかし…これからエギングどうなるのかな。

ブームはもう最高潮を過ぎた感じだけど、これから5年経って10年経って、

釣り場が荒れて釣れなくなって、この海で…。


2009年 10月 17日 (土)

孤独の釣り師4 和歌山県岩出市の三連野池跡


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奥の池の取水杭跡
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口の池は今も残っている
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中の池
9月も半ばだというのにまだまだ暑い日。

俺はいつも世話になっているバイク店に、

原付のタイヤ交換に来ていた。

というのも、以前わけあって犬鳴の峠を

原チャで通ったのだが、購入して以来

交換を怠ってスリップサインも消えかけの

タイヤと、降り続いた雨があいまって

派手にこけてしまったのだ。

幸い擦り傷程度で済んだが、その恐怖体験

からただちにタイヤ交換を決意し今に至る。

まぁエンジンオイルを入れに行くたびに、

バイク屋の人に警告されていたのを無視した

自分が悪いのだが…。

タイヤの交換は時間がかかるから、

30分くらいたったら取りに来てくれと言われた。

といっても家に帰れる距離じゃないし…

どう暇を潰そうか。

バイク屋は母校の中学の近くにあるのだが、

この中学校近辺は最近開発が進んできて、

ちょっとしたショッピングモールみたいに

なっている。

そこで暇を潰すことにした。

俺が通ってた頃はだだっ広い資材置き場だった

んだが、見ない間に立派になったもんだ。

だが、実際行ってみるとあまり暇つぶしに

なりそうな店が無い。

がーんだな…出鼻をくじかれた。

学校の近くなんだから、若者が集まりそうな店

出したら流行りそうなもんなんだが。

なんでだろう、PTAが五月蝿いのかな。

結局スーパーでジュースを買った程度で、

時間はまだまだ残っている。

焦るんじゃない、俺は暇を潰したいだけなんだ。

そうだ!中学時代に良く通った三つ連なった野池、あそこに行ってみよう。

懐かしいなぁ、何年ぶりくらいだろう。

確かここからなら10分もかからないはずだ。

粉河加太線に出て、大勝フードセンターの前のT字路を団地の方に入り、

しばらく行くと団地の方に上っていく道と、一旦田んぼの脇に下りて

山に向かっていく道に分かれる。目的地に行くには後者を選ぶ。

その道を進んでいくと最初の池、「口の池」が現れる。

ここにはかつて「口の池」「中の池」「奥の池」の三つの池があり、

地元中学生バサーの聖地だった。

この池では実兄備長炭が自己記録を釣り上げ、彼からその存在を教えて

もらった俺は部活の練習そっちのけで通ったものだ。

それがみのり中の池では53cm、奥の池では当時野池では釣れないといわれ

ていた55cmオーバーの57cmを釣り上げた。

その魚を釣って以来、俺は自分の釣りの腕を過信しプロを目指すことに

なった。いわば人生の分岐点がこの奥の池と中の池だった。

この二つの池は釣り環境としては今でも自分の中で右に出る池は無いくらい

優秀なもので、当時から60オーバーの目撃例が多数報告されており、

当時大阪に出たての備長炭が帰郷して俺と釣行した際(後のIwadeの虎探検隊)

にも、巨大ウシガエルをものすごい勢いで襲う巨大魚が目撃されている。

現場を完全に目撃した備長炭曰く、絶対にバスだったらしい。

さっき「かつて」と言ったが、お察しのとおり中の池と奥の池はもう無い。

現在は埋め立てられ立派な墓地になっている。

工事が始まったのは、自分が57cmを釣り上げたときくらいで、その事実を

知ったときはもう「がーんだな」なんてもんじゃなかった。

それから池の最後を見届けたくって、竿も持たずに何度も池の様子を見に

行ったのを覚えている。

57cmを釣ったシーズンの終わりぐらいには中の池の水は完全に抜かれて、

奥の池は半分近くが土に埋まっていた。

それ以来この池に来ることは今までなかった。

口の池から中の池に上がってみる。5年くらい前にに中の池だったその場所、

なんとなく池の形は残っている、しかし水は無く雑草が鬱蒼と生い茂る

荒れ地だった。

当時中の池から奥の池ヘ上がる細い道があったのだが、今は無い。

変わりに別の場所に、舗装された歩道のようなものがあった。

上ってみてわかったのだが、この道は上の墓地に続いているらしい。

奥の池にあがるとほとんど埋め立てられていて、池の形をとどめているのは

4分の1以下だったが、見覚えのある杭があった。

そういえば中学の頃最後にここに来たとき、二度とここに来ないことに

した。来ても悲しくなるだけだとわかったからだ。

しかしこの杭を見て、不思議と悲しいとも切ないとも別段思わなかった。

ただ純粋に懐かしいという気持ちになった。

腕時計を見ると、約束の30分を過ぎるちょっと前だった。

俺はバイクをとりにバイク屋に戻った。



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